この恋、予定外すぎて困ってます
#8 恋のルール、破ってもいいですか?
先輩と付き合って、1か月が過ぎた。
季節はすっかり秋。
夜風が涼しくて、窓の外から虫の声が聞こえる。
夜ご飯を囲んで、いつも通りの食卓。
煮物の湯気がふわっと立ちのぼる中、由紀人さんが急に言った。
「ごめん。2人には言いそびれてたんだけど、明日からの3連休、洋子さんと旅行に行こうと思ってるんだ」
「「え!?」」
先輩と私、声がぴったり重なった。 びっくりして箸が止まる。
「ずっと計画してたんだけど、ちょうど明日キャンセル入ったから勢いで予約しちゃって」
お母さんが、にこにこ笑いながら言う。
いやいや、勢いでするものじゃないでしょ!?
旅行って、もっとこう…準備とか、心構えとか!
「だから、2人でお留守番よろしくね」
お母さんが、さらっと言ったその瞬間。
頭の中が真っ白になった。