この恋、予定外すぎて困ってます
Special edition
「先輩の小さい頃の写真が見たいです!」
土曜日。
涼ちゃんの誕生日。
今日はデートの日。
カフェでケーキを食べながら、突然そんなことを言い出した涼ちゃん。
「え、面白くないよ?」
思わずそう返すと、涼ちゃんはむくれて、頬をふくらませた。
「面白いとかじゃないんです!」
ぷんぷん怒ってる。
誕生日だから…断れない。
いや、断れないっていうか、断ったら絶対根に持たれるやつ。
デートが終わって、家に帰る。 部屋の隅にある棚。
そこに、昔のアルバムがあるはず。
「……探すよ」
涼ちゃんは目をキラキラさせてる。
嫌すぎるな―。
でも、誕生日だから。 しょうがない。
「……あ、あった」
涼ちゃんが指さした瞬間、心臓が跳ねた。
最悪だ。なくてよかったのに。