桜吹雪が舞う夜に
互いの呼吸が重なり、肌が触れ合うたびに熱が深くなっていく。
日向さんは一度動きを止め、見つめるように私の頬を撫でた。
「……桜の身体、どんどん良くなってる」
低く呟く声には、欲望だけじゃなく、驚きと感謝が滲んでいた。
「最初は痛みに耐えてただろ。
でも今は……ちゃんと気持ちよさそうにしてくれる」
頬が赤くなる。言葉にされると、余計に恥ずかしい。
「……日向さんのおかげです」
小さな声で返すと、彼はわずかに目を細め、苦しそうに、けれど嬉しそうに笑った。
「……俺も、嬉しいんだよ。
君が慣れてきて……俺を受け入れてくれるのが」
その言葉とともに、再び深く抱きしめられ、夜は波音のように静かに、でも確実に熱を増していった。