社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「ありがとうございます。」

私は思わず背筋を伸ばし、もう一度深く頭を下げた。

「水城。」

呼ばれて顔を上げると、真っ直ぐな視線に射抜かれる。

「君がまとめてくれるからこそ、形になるんだ。俺一人じゃここまで整わない。」

優しい声に思わず胸が震えた。ああ、この人はどこまでも私を支えてくれる。

クスッとした微笑みは、きっとその想いが漏れただけなのかもしれない。

私は深く頷いた。

「ありがとうございます。次は必ず、私の力で証明します。」

「よく言った。もし、この第2稿、上手く行ったら――」

直哉さんの目が鋭く光った。

「相手の会社でのプレゼンが待っている。」

ごくんと息を飲んだ。

プレゼン、それはつまり私自身の力が問われる舞台だ。

今まで社長と一緒に形にしてきた企画が、ここで本当に試される。
< 226 / 273 >

この作品をシェア

pagetop