社長、社内恋愛は禁止のはずですが
しばらくして、彼は私の頬にキスを落とした。

「遥香……さっきよりも、ずっと幸せそうな顔してる。」

「直哉さんが……優しくしてくれるから……」

彼の胸に頬を寄せると、鼓動が聞こえてくる。

「俺は遥香を愛してる。それを身体ごと覚えて欲しかったんだ。」

涙が溢れて、私は彼の胸を濡らした。

「もう、涙はやめろ。泣かせたら、俺まで泣きたくなる。」

そう言って彼は、また優しく唇を重ねた。

愛と溺愛に包まれて、私は直哉さんの胸の中で眠るように安らいだ。

私の体の中からは、2回分の彼の愛が溢れる。

「ああ、中から……」

「俺の愛が、溢れたか?」

見つめ合う直哉さんの瞳に、抗うことができない。

「俺の婚約者だ。これからもっと溢れさせるよ。」

私はうんと、小さく頷いた。

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