大嫌い!って100回言ったら、死ぬほど好きに変わりそうな気持ちに気付いてよ…。
第97話 こじれて、ばれる
会議室でひとり、朱里はテーブルに突っ伏していた。
「……もうほんと無理……」
恥ずかしさで死にそうだ。
いや、むしろ今ここで蒸発して空気になりたい。
(平田さんの顔見るたびに変な反応して……。
仕事にならないじゃん、私……)
それなのに、朝からまともに目も合わせられない。
こんなはずじゃなかった。
ただちょっと好きになっただけなのに、こじらせすぎて全然コントロールできない。
「こじらせてる」って美鈴に言われるたび、反論できなかった。
「はぁ〜〜〜〜」
情けないため息を吐いたところで、会議室の扉がノックされた。
「中谷先輩?」
例の天敵(?)——望月瑠奈が顔を出した。
カフェでの会話以来、妙に鋭い。
「あ……瑠奈ちゃん。なに?」
「ちょっと資料の確認いいですか?……っていうか」
瑠奈は容赦なく朱里に近づき、
ズバッと一言。
「先輩、昨日より顔色悪いです」
「お、大丈夫だよ!?ほら元気!超元気!」
あわあわ手を振る朱里。
気まずさと焦りが混ざってバレバレだ。
「……やっぱり、平田先輩のこと……」
「言うなぁぁああ!!」
全力で瑠奈の口を塞ぐ朱里。
(この時点でほぼ自白)
「んむっ……むー……!」
「お願いだから廊下で言わないで!?誰が聞いてるかわかんないから!!」
必死すぎて、こじらせ具合がMAX。
ようやく手を離すと、瑠奈は小さく息を吐いた。
「先輩、わかりやすいですよ。避けてますよね、平田先輩のこと」
「……だって……」
朱里は小さく肩を落とした。
「あの人見たら……胸がぎゅってするの。
昨日映画に行ったのに……今日の私は、あれだよ……フリーズ女だよ……」
「それは恋ですね」
「やめてぇ!!!」
会議室の壁が震えるほどの叫び。
こじらせている自覚はある。
でも言われると、心臓がいたい。
瑠奈は苦笑しながら朱里の隣に座った。
「でも、先輩。そんなに意識して避けてたら……逆に平田先輩、不安になると思いますよ?」
「……うん、わかってる……。
わかってるんだけど……!」
朱里は両手で顔を覆った。
「近づきたいのに、近づくと逃げるって……
ほんと最低の挙動不審じゃん……!」
「うん、挙動不審ですね」
「慰める気ある!?!?」
「事実です。こじらせすぎです」
冷静な瑠奈。
心が痛い朱里。
その時だった。
「……あの、中谷さん。ここ、使っていい?」
「ひゃっっ!!?」
嵩の声。
3秒前の“挙動不審”という単語が空気中に漂っている状態での登場。
朱里は反射的に、瑠奈の後ろに隠れた。
「えっと……中谷さん?なんで隠れて……?」
「き、気のせいです……!」
気のせいじゃない。
むしろ一番気のせいじゃない。
嵩は眉を下げ、少し困ったように笑った。
「やっぱり……最近、避けられてるよね?」
「……っ!」
図星。
心臓が爆発しそう。
瑠奈は一歩下がり、朱里の背中を押す。
「ほら先輩。ちゃんと話してきてください」
「むりむりむり……!」
「むりじゃないです。いってらっしゃい」
後押し……という名の強制送還。
朱里は覚悟を決め、嵩のほうを振り返る。
胸がバクバクしている。
でも、このまま逃げ続けるわけにもいかない。
「……すみません……避けてたわけじゃ……なく……なく……」
「うん?」
「……うまく話せないだけです……」
朱里の声は蚊の鳴くように小さかった。
嵩は一瞬驚いて、それから柔らかく目を細めた。
「そっか。じゃあ──少しだけ、話ししない?」
その言葉に、朱里の心臓が跳ねた。
逃げたいのに、逃げたくない。
こじらせた恋が、また一歩動き出す。
「……もうほんと無理……」
恥ずかしさで死にそうだ。
いや、むしろ今ここで蒸発して空気になりたい。
(平田さんの顔見るたびに変な反応して……。
仕事にならないじゃん、私……)
それなのに、朝からまともに目も合わせられない。
こんなはずじゃなかった。
ただちょっと好きになっただけなのに、こじらせすぎて全然コントロールできない。
「こじらせてる」って美鈴に言われるたび、反論できなかった。
「はぁ〜〜〜〜」
情けないため息を吐いたところで、会議室の扉がノックされた。
「中谷先輩?」
例の天敵(?)——望月瑠奈が顔を出した。
カフェでの会話以来、妙に鋭い。
「あ……瑠奈ちゃん。なに?」
「ちょっと資料の確認いいですか?……っていうか」
瑠奈は容赦なく朱里に近づき、
ズバッと一言。
「先輩、昨日より顔色悪いです」
「お、大丈夫だよ!?ほら元気!超元気!」
あわあわ手を振る朱里。
気まずさと焦りが混ざってバレバレだ。
「……やっぱり、平田先輩のこと……」
「言うなぁぁああ!!」
全力で瑠奈の口を塞ぐ朱里。
(この時点でほぼ自白)
「んむっ……むー……!」
「お願いだから廊下で言わないで!?誰が聞いてるかわかんないから!!」
必死すぎて、こじらせ具合がMAX。
ようやく手を離すと、瑠奈は小さく息を吐いた。
「先輩、わかりやすいですよ。避けてますよね、平田先輩のこと」
「……だって……」
朱里は小さく肩を落とした。
「あの人見たら……胸がぎゅってするの。
昨日映画に行ったのに……今日の私は、あれだよ……フリーズ女だよ……」
「それは恋ですね」
「やめてぇ!!!」
会議室の壁が震えるほどの叫び。
こじらせている自覚はある。
でも言われると、心臓がいたい。
瑠奈は苦笑しながら朱里の隣に座った。
「でも、先輩。そんなに意識して避けてたら……逆に平田先輩、不安になると思いますよ?」
「……うん、わかってる……。
わかってるんだけど……!」
朱里は両手で顔を覆った。
「近づきたいのに、近づくと逃げるって……
ほんと最低の挙動不審じゃん……!」
「うん、挙動不審ですね」
「慰める気ある!?!?」
「事実です。こじらせすぎです」
冷静な瑠奈。
心が痛い朱里。
その時だった。
「……あの、中谷さん。ここ、使っていい?」
「ひゃっっ!!?」
嵩の声。
3秒前の“挙動不審”という単語が空気中に漂っている状態での登場。
朱里は反射的に、瑠奈の後ろに隠れた。
「えっと……中谷さん?なんで隠れて……?」
「き、気のせいです……!」
気のせいじゃない。
むしろ一番気のせいじゃない。
嵩は眉を下げ、少し困ったように笑った。
「やっぱり……最近、避けられてるよね?」
「……っ!」
図星。
心臓が爆発しそう。
瑠奈は一歩下がり、朱里の背中を押す。
「ほら先輩。ちゃんと話してきてください」
「むりむりむり……!」
「むりじゃないです。いってらっしゃい」
後押し……という名の強制送還。
朱里は覚悟を決め、嵩のほうを振り返る。
胸がバクバクしている。
でも、このまま逃げ続けるわけにもいかない。
「……すみません……避けてたわけじゃ……なく……なく……」
「うん?」
「……うまく話せないだけです……」
朱里の声は蚊の鳴くように小さかった。
嵩は一瞬驚いて、それから柔らかく目を細めた。
「そっか。じゃあ──少しだけ、話ししない?」
その言葉に、朱里の心臓が跳ねた。
逃げたいのに、逃げたくない。
こじらせた恋が、また一歩動き出す。