本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
帰宅すると、望はすでに夢の中だった。航希と遊び疲れて眠ってしまったのだという。
鬼ごっこにお絵かき、風船遊びなど、盛りだくさんの遊びに大満足だったらしい。
「やっぱ青葉さんに行ってもらってよかった」
山城との経緯を話すと、航希は表情に苛立ちを滲ませながら息を吐いた。
「航希くんが機転を利かせて俺に連絡をくれたから助かったよ」
「ほんとに。ありがとう、航希。望くんのお守り、大丈夫だった?」
「俺もつい夢中になって遊んでたし。楽しかったよ」
航希はソファの端に腰をかけ、軽く肩をすくめながら言った。その声には、望と過ごした時間を心から楽しんだ様子が滲むいっぽう、散らかったリビングを気にする申し訳なさそうな響きもあった。
視線は床に散乱するクレヨンや画用紙にチラッと落ち、「……ごめん、片づけもしないで」と小さく付け加える。
青葉はリビングの乱雑な光景を一瞥し、穏やかな笑みを浮かべた。
「気にするな」