本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 声を震わせ、目に涙をためる里美に、仁志が重い声で続ける。


 「そうだな。急に一緒に暮らすのは難しいかもしれない。とりあえず週末だけでも望をうちで過ごさせてくれないか? 少しずつ慣れていけば、望にとってもいいことだと思うんだ」


 莉乃は胸が締めつけられるような思いだった。

 (亡くなった娘さんの忘れ形見だもの。おふたりの切実な想いは痛いほどわかる。だけど……)

 望はまだ小さく、青葉と築いてきた家族の絆だってある。それは莉乃にとっても譲れないものだ。

 ふと横目で見た青葉の表情は固く、迷いも滲んでいる。
 そのときふと、奥の部屋から小さな足音が聞こえてきた。望が目をこすりながらリビングに現れた。


 「望くん、おはよう」
 「……おはよう」


 莉乃の挨拶に小さな声で返しながら、莉乃の膝にちょこんと寄りかかる。里美と仁志を見つけると、望の小さな体が一瞬固まった。朝から見慣れない人がいることに戸惑ったようだ。
< 224 / 294 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop