本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 莉乃は書類から顔を上げ、航希の言葉に眉を軽く寄せた。


 「航希、言葉遣い。あと、『ケリがついた』ってどういうこと?  青葉さん、詳しくなにか言ってた?」


 あの夜、青葉が山城に『覚悟しておくがいい』と言い放った言葉が、今も耳に残っている。


 「それなら今から来るって」


 その時、タイミングよくドアが開き、部下が青葉を連れて入ってきた。スーツ姿の彼はいつもどおり落ち着いた雰囲気だが、目に宿る鋭さは揺るがない決意を物語っている。


 「莉乃、山城の件、報告にきた」


 青葉はソファに腰を下ろし、テーブルの上に分厚いファイルを置いた。その表紙には〝山城不動産関連資料〟と記されている。
 莉乃は航希と顔を見合わせ、ソファに移動して青葉の向かいに座った。


 「山城不動産がなにか動きを見せてるって話は聞いてないけど」
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