本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 瞬時にスケジュールを頭に浮かべる。


 「夜なら私も大丈夫」
 『このあと場所をメッセージで送る。じゃ、明日。おやすみ』
 「おやすみなさい」


 電話を切った直後、青葉から待ち合わせ場所のURLが届いた。


 「どこかな」


 タップすると、ダイニングバーのHPに飛んだ。


 「へえ、おしゃれなお店ね」


 マーケティング会社を経営しているだけあって、きっといろいろな店を知っているのだろう。この三週間のうちに何度となく重ねてきた打ち合わせは、彼の会社やルナリアで行うのはもちろん、レストランを指定されることも度々あった。
 そのどれもが洗練された店で、選択センスの良さを感じさせる。


 「さてと、寝る前に対策を練っておかないと」


 青葉にだけ頼っているわけにはいかない。ルナリアは莉乃の会社なのだから。
 両頬をパンパンと軽く叩いて自分を鼓舞し、莉乃はバッグからノートパソコンを取り出した。
< 32 / 294 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop