本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 望はおもしろがってリビングを逃げ惑う。小さなお尻があっちへいったりこっちへいったり。

 (ど、どうしたらいいの!? とにかく拭かなくちゃ。えっとタオルタオル……)

 どこにバスタオルがあるのかわからずオロオロしていると、バスルームのほうから「莉乃、これ!」という声とともにバスタオルがはらりと舞った。青葉が投げたのだ。
 それを拾い上げ、今度は走り回る望を追いかける。


 「ちょっと待ってったら、望くん!」


 望は、必死な莉乃もおかまいなし。いたずらっぽい目を輝かせながらソファの間をすり抜け、テーブルの向こうへと走る。

 (もうっ、どうしたらいいの……!)

 ソファの横で進路を塞ぐが、小さな体はくるりと方向を変え、再び反対側へ駆けだす。まるで小動物のような俊敏さだ。莉乃は完全に遊ばれている。頼りない足取りながらも、あっちへこっちへ、まるで風のよう。

 しかしいつまでも追いかけっこをしてもいられない。ついに望の進む先を見極め、バスタオルごと両腕を広げる。望が「あっ!」と声を漏らした次の瞬間、莉乃は彼をタオルで包み込んだ。


 「つ、捕まえた……!」
< 79 / 294 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop