本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 手にしていたバスタオルをぐるぐると手に巻きつけて弄ぶ。しどろもどろだ。初心なわけでもないくせに。
 その隙を突き、望は青葉に駆け寄った。


 「パパぁ」
 「ほら、パジャマを着るぞ」


 彼に抱き上げられ、またもやケラケラ笑って大喜びだ。

 (へぇ、パパって呼ばせてるんだ。こうして見ていたら本当の親子みたいだものね)

 生後半年で両親が亡くなった望にしたら、青葉はもはや実の父親同然だろう。

 (私、そんなふたりの輪に入っていけるのかな……。青葉さんとだって恋人をすっ飛ばして夫婦になったのに、望くんの母親なんて務まる?)

 ふと、そんな不安が頭をもたげたが、すぐに振り払う。


 「今日は初日でしょ。なにを弱気になってるの。まだまだこれからよ」


 子どもの扱いに関しては未知の世界だが、それを恐れるより、少しずつ慣れていけばいい。望の表情や仕草をじっくり観察し、どんなことが好きで、どんなときに安心するのかを探っていこう。
 最初から完璧な母親になるなんて無理なのだから。青葉だって、きっと支えてくれるはずだ。


 「さてと、私もお風呂に入ってこよう」


 莉乃は深呼吸をしてバスルームに向かった。
  
< 81 / 294 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop