本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】

 静まり返った寝室には、間接照明のやわらかな光がベージュとアイボリーの上質な壁紙に陰影を描く。壁には控えめながらも洗練されたアートが飾られ、部屋の雰囲気にほどよいアクセントを加える。
 観葉植物の鮮やかな緑は陶器の鉢に収まり、この空間にほんのわずかに生命のぬくもりを添えていた。静かに香るホワイトジャスミンのアロマが空気に溶け込んでいる。

 そこに並べられたふたつのベッド。どちらもふかふかで寝心地はよさそうだが、今の莉乃はそれどころではない。
 寝室をべつにする案もあったが、望に母親を作るのが目的であるため避けるべきだろうという結論に落ち着いた。

 ドアが静かに開く音がして青葉が現れる。今度はちゃんとパジャマを着ていたため密かにほっとした。


 「望、やっと寝たよ」


 低い声が響く。莉乃はベッドの端に腰を下ろしたまま、小さく頷いた。


 「お疲れさま」


 平静を装って返したが、内心ではこの状況にそわそわしている。
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