本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 テーブルに広げられたほかの書類をまとめて差し出すと、山城は莉乃の手にさり気なく自分の手を重ねた。

 (えっ……)

 微かに撫でられたような気がして、咄嗟に手を引き抜く。


 「そういえば、ご結婚されたそうですね」
 「……あ、はい、そうなんです」


 山城はいつものように口だけで微笑み、落ち着いた声で言葉を紡いでいる。
 一瞬戸惑ったが、莉乃もすぐに彼に合わせて微笑む。

 (……気のせいよね)

 たまたま手が触れただけに違いない。山城の目線が左手に注がれたため、なんとなく右手で隠して膝の上に置く。
 薬指には同居直前に用意した、形ばかりの結婚指輪が光り輝いている。


 「恋人はいないと伺っていましたが違ったんですね」
 「すみません。プライベートな話だったのでそう言ってしまいました」


 山城は軽く頷きながら、目線をテーブルに落とした。
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