ナイショの妖精さん1
「はぁ」と息をはきだして、中条は、両手をジーンズのポケットにつっこみ直した。

 また無視されるのかと思ったけど、なんかちがう。目に力がこもってない。
 ただ、足元の小石を見おろしてる。

「……とうさんは、死んだ。オレが四歳のときに。事故で」

「え?」

「……ついてこい」

 中条が背を向ける。グレーのランドセルを片肩にかけた黒いTシャツが、大またで歩きだす。


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