帳を張るその先に
 キーンコーンカーンコーン。そんな現世の人間には聞き馴れた音。
 生徒は急いで教室へと戻る。
 「………なんで私がこんな事に…。」
 と呟く…。

そこに、同級生でもあり、唯一のクラスメイトの雲雀が立ってる。
「お前またここにいたのかよ!」
って雲雀が一言。正直うるさいなぁって思ってるけど、まぁいつもの事だからと我慢してる。

ここは、トキノ花付属学園。
名前は可愛らしいが、ここには変わったルールというか、制度がある。まぁ私もあんまわかんないけど、それは『1.5年生』。
名前だけ聞くと意味がわからないし、実際、私達も混乱している。

説明すると、先生によると雲雀と()は1.5年生らしい。正直、2人しかいないのに1.5年生とか、知らない人には私達が厨二病で他の人とは違うんですよ感出してて鬱陶しい。

昔、校長先生に何故私達が1.5年生なのか聞きに行ったことがあった。
『話は長くなるが、君達は偏差値が高くてね。入学試験と言えど、流石に偏差値が限界値を越えてしまって、先生達もテストも授業もできないから、1.5年生という制度を作ったんだよ。まぁ君達は普通の1年生として過ごしてれば良いよ。
ただ、授業はできないしテストも実施できない。そこは少し欠点だけど、部活動とかもできるし良いんじゃない?』ってそんな事言われた。
実際、私達1.5年生は先生達がその偏差値に合う授業ができないから、残念ながらいつもは空き教室でサボってるか、屋上でゲームしてるか、先生達のお手伝いでコピーをさせられたりプリントの丸つけさせられたり、購買のおばちゃんと一緒にアルバイトで売ったりしていた。
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