本気の恋も三度まで〜恋愛したくなったら同僚がチャンスをくれました

「じゃあ神谷が誰か紹介して！

これあげる！結構高かったんだよ。
だからこの哀れな同期のために一肌脱いで！」

茉琴は山下へ渡すはずだったプレゼントを圭人へ差し出す。
圭人はそれをじっと見つめて嘆息し、冷酒のグラスをテーブルに置いた。

「人に渡すはずだったものをそのままよく差し出せるな。
紹介しろって、だいたい俺のことなんだと思ってる？」

「頼りになる同期！
神谷の紹介なら絶対信用できるもん」

茉琴はプレゼントを無理矢理圭人に押し付けると、お願いっと手を合わせ頭上に掲げてテーブルにおでこをつけるように頭を下げる。

しばらく経っても圭人が何も言わないことを不安に思い、茉琴がそっと顔を上げると、圭人は普段あまり見せない不機嫌さを一切隠さない顔で、じっと茉琴を見つめていた。