本気の恋も三度まで〜恋愛したくなったら同僚がチャンスをくれました

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日曜日。
茉琴は平日よりも早めの仕度にばたついていた。

昨日圭人から『朝七時に茉琴の自宅最寄り駅で待ってる。動きやすい服装で来るように。スニーカーでいい。』とメッセージが入っていた。
圭人のメッセージはいつも簡潔で用件だけ。

プライベートで一緒に出かけるのは初めてだというのに、仕事の連絡と変わらない内容だった。いや仕事なら気遣いも細やかだから、仕事の時より雑かもしれない。

平日仕事が立て込むことも多く、茉琴の週末は家でのんびりしていることが多い。
日曜日にこんなに早く出るなんて久しぶりだ。

予定は空いていたのだが、確認もせずに圭人に一方的に決められたことには不満がある。
「バーの代金は出してもらったけど、
神谷に会ったら一番に文句の一つでも言ってやろう」と茉琴は思っていた。
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