本気の恋も三度まで〜恋愛したくなったら同僚がチャンスをくれました

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山下は二課の彼女とうまくいっているようで、ここのところやる気に満ち溢れている。
次々と案件を進めるのはよいが、おかげで茉琴も普段より多めのタスクに追われていた。

終業時間を過ぎても席を立つ人が少ないフロアでは、一際明るい声で山下が電話をかけている。
明るく親しみやすい性格で相手の懐に入るのが上手く、営業成績もいい。そんな山下が普段よりさらに精力的に働いてるのは、確実に彼女の影響が大きいのだろう。
仕事もプライベートも充実しているのを茉琴はうらやましく思う。


圭人も多忙で、この2ヶ月くらいはたまにデスクで顔を合わせる程度だ。あれからランチにも飲みにも出掛けていない。

圭人は担当している大型案件のひとつでリーダーとなった。このまま案件がうまく進めば、次の人事での昇格は間違いないだろう。
今日も茉琴が外回りから戻ると、入れ違いで圭人は外出していた。

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