本気の恋も三度まで〜恋愛したくなったら同僚がチャンスをくれました
中田からは、マルシェの翌週には約束通りお誘いの連絡を受けたが、都合が合わず、以降延期したままだ。

仕事に追われていると、寂しさを感じる暇もない。おかげで茉琴の人恋しさもすっかり冷めきっていた。

『チョコありがとう』とメモを書いて、隣の綺麗に整った圭人のデスクに置く。


私、余裕ないな。
「付き合う、か…」
茉琴は思わず呟いてしまう。

「俺と付き合う気になった?」

ハッとして振り向くと、松岡がいた。茉琴は慌てて立ち上がる。

松岡から誘われた翌週、お礼かお詫びかどちらを伝えるべきか悩みながら二課を訪ねたが、松岡は出張で顔を合わせていなかった。
それから茉琴も忙しくなり、松岡のことは頭からすっかり抜けてしまっていた。

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