本気の恋も三度まで〜恋愛したくなったら同僚がチャンスをくれました
「すみません」

「お前らがそんな感じなのは珍しいからな。
なんかあったんだったら早めに解決しとけよ」

トーンの落ちた茉琴の様子に、山下はそれ以上何も聞いてこなかった。
商談もスムーズに終わり、予定通り帰社してデスクワークにかかる。

圭人とは今日も会えていない。
山下の話が気になるが、今は仕事だ。


神谷に呆れられないようにしなきゃ。
松岡さんにも、中田くんにも、正攻法はわからないけど、とにかく動いてみよう。

今の茉琴にとって圭人との関係が崩れることが何より嫌だった。

茉琴は圭人から仕事で認められているとは思っていない。しかし少なくとも同僚としての信頼はそれなりに得られていると思っている。
だからこそこんなことで彼の信頼を失いたくないと強く思っていた。


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