本気の恋も三度まで〜恋愛したくなったら同僚がチャンスをくれました

普段はどんなに仕事が立て込んでもそこまで疲れをため込むことのない茉琴も、今日ばかりはかなりくたくたになっていた。
金曜の今日も遅めの帰宅だが、週末ということもあり電車内は混んでいた。

自宅最寄り駅まであと2駅。降車客の多い駅で一気に人が減りホッとしたところに声をかけられた。

「水野さん?」

呼ばれて顔を上げる。

「中田くん」

あっと中田が小さな声を上げると、目の前でドアが閉まった。
ゆっくりと動き出す電車内で中田が苦笑いしながら茉琴を見る。

「お疲れ。
まだ時間大丈夫だったら、食事して帰らない?」

たしか、中田はこの駅が最寄だと言っていた。
二人は顔を見合わせ小さく笑った。





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