本気の恋も三度まで〜恋愛したくなったら同僚がチャンスをくれました
「日頃お世話になってる山下さんへの後輩からの誕生日プレゼントが、何か問題でも?」

「水野がそれくらいの気持ちならさっさと渡しただろ?一日中一緒に営業回って、渡すタイミングないことはないだろ」

茉琴の性格を熟知した圭人の言い方に
茉琴はポツリポツリと本音を話した。


「私ね、焦ってるかも」

「何に?」

「結婚。
今まで願望もなかったし、そもそも恋人もいないし。
考えたこともなかったんだけど、先月友達の結婚式に出てさ、」

圭人は何も言わずに茉琴に烏龍茶のグラスを差し出す。
茉琴はそのグラスをじっと見つめ、受け取って烏龍茶をひとくち飲むと続けた。

「私の友だち結婚してる子が多くて、
同じテーブルで私以外みんな既婚者だったの。

旦那さんとか子供のこととか話してて
愚痴とかも話してたんだけど、すごく盛り上がって。

そのテンションで家に帰ったら、なんか、急にものすごく不安になった。
私、このままずっとひとりなのかなって」


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