本気の恋も三度まで〜恋愛したくなったら同僚がチャンスをくれました
茉琴が顔を上げると圭人が真顔でじっと茉琴を見ている。

「で、山下さんのこと好きだったのか?」

圭人は表情を変えないまま尋ねる。
真剣な表情の圭人の問いに、茉琴は思わず目線を泳がせた。


「一緒にいる時間長いし、

気心知れてるし、

なんだかんだで私には優しいし」

茉琴が再び手元の烏龍茶に目線を落とすと、向かいの席から圭人の盛大なため息が漏れた。


「プレゼント渡してなんて言うつもりだったんだ」

「え、いや…その…
付き合ってください?、とか?」

「なんで疑問形だよ。山下さんに失礼だろ。
水野、恋愛感情ないだろ?」

呆れた顔で圭人が詰め寄る。


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