本気の恋も三度まで〜恋愛したくなったら同僚がチャンスをくれました
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週が明けても、茉琴は変わらず忙しかった。
忙しければ余計なことは考えずに済むからいいのだが、
困ったことに、圭人の担当するプロジェクトではこれからしばらくは社内にいることが多い。
社内にいるときは時間が合えば当たり前に一緒に昼食をとっていたし、帰りも時間が合えば食事に出かけていた。
これまでならそれが当たり前のことだったのだが、
茉琴は圭人の前でどう振舞ってよいかわからず、何かと理由をつけてランチも夕食も断っている。
金曜、今日も圭人のランチの誘いを断り、コンビニへ買い出しに出ると、魔の悪いことに圭人と出くわした。
圭人は一瞬顔色を変えたが、無言で会計を終えるとコンビニを出ていった。
茉琴はサンドイッチとペットボトルの紅茶を手に取るとしばらく時間をおいて会計を済ませた。
コンビニを出ると、目の前に圭人が立っている。
茉琴がわざと時間をずらそうとしたことも圭人は気づいているだろうと思い、茉琴は気まずくなってうつむく。
「今日の夜、空けといて
三回目」
それだけ言うと、茉琴の返事も聞かずに圭人は足早にオフィスへと戻っていった。