本気の恋も三度まで〜恋愛したくなったら同僚がチャンスをくれました
茉琴はなじみの居酒屋でいつもの席に居心地悪く座っていた。
圭人と二人でいつものメニューを並べているが、茉琴の前に置かれたジョッキの中身はほとんど減っていない。
ぎこちなく仕事の話を振ってみるものの、会話が続かない。
茉琴にとって、久々の恋愛感情。しかし思い返せば学生時代の、告白されて付き合い言われるがまま別れた恋愛ではこんな感情は抱かなかったぐらいに、茉琴の心臓は大きく鼓動を打っている。
そんな茉琴を気にすることなく、圭人はいつもと変わらない様子で目の前の料理をつまんでいる。
「なんで俺、水野から避けられてるんだろな?」
それまで静かに料理をつまんでいた圭人がゆっくりと茉琴へと視線を向けた。
茉琴の方がピクリと震える。