温厚専務の秘密 甘く強引な溺愛
無事に婚姻届を提出した圭吾と波瑠は、結婚式や新居探しの準備に追われる日々を過ごしていた。
けれどこの日は、喧騒から離れた二人だけの特別な時間だった。

「今日は……私のわがまま、聞いてくれてありがとう」
波瑠は少し照れくさそうに微笑みながら、純白のウエディングドレスに身を包んでいた。
柔らかなレースのベール、胸元に揺れる小さなパール。
その姿は、まるで夢の中から現れたように美しかった。

圭吾は黒のタキシードに身を包み、しばし言葉を失ったまま彼女を見つめる。
「……本当に、綺麗だ。こんなに幸せな気持ちになる日が来るなんて」

波瑠の頬が赤く染まり、涙がにじむ。
「圭吾さんとだから、このドレスを着てみたいって思えたの」

小さなチャペルの中で、二人だけの誓いの儀式が始まった。
祭壇に並び、互いの指に指輪をそっとはめる。
その瞬間、窓から差し込む柔らかな光が二人を包み込んだ。

圭吾は波瑠の手を握りしめ、低く、熱を帯びた声で囁いた。
「……波瑠、愛してる」

波瑠の瞳が潤み、頬を伝う涙が光にきらめく。
「……はい」

涙に濡れた笑顔で応えた瞬間、二人の唇が静かに重なった。

鐘の音が響かないはずの小さな式場で、確かに二人の心には祝福の鐘が鳴り響いていた。
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