らくがきの中の君を、彷徨って見付けてさよならと言って
「あ、ねぇ今日も部活行く?もうコンテストに出すやつ描き終わっちゃったけど」
「行くよ」
なんだか千颯の顔を見るのが恥ずかしくなって、視線をそらしたつもりだったのに千颯がこっちを向いたから。
「行くだろ、咲茉も」
視線を、外せなかった。
目が合ってしまった。
少し緊張しちゃった。
「い、行く!」
ふって、笑うから。
私を見て笑うから。
こそばゆい気持ちになって。
「何、どもってんだよ」
めっちゃ笑うから…
「ちょっと噛んだだけだし!」
「そんな一言噛むなよ」
くすくす下を向いて笑うから。
…そんなに笑わなくてもいいじゃんか。
「今日もいっぱい描くから!」
「へぇーやる気じゃん」
「やる気だよ、すっごいやる気!」
また勇気がわいてきたからね、描きたいって気持ちが溢れてくる。
この思いをキャンバスに描けたら…
「ねぇ千颯」
「ん-」
「絵描くの楽しい?」
「楽しい」
春風が気持ちいい。
それだけで嬉しい、目に映るものすべてに思いを馳せられる気がして。
「咲茉は?」
まだ先のことなんてわからないけど、私には絵がある。好きなものがある。
「私もめーっちゃ楽しい!」
千颯がいる。
だから今日も描いて、それでよかった。
それがよかった。
飾られた千颯の絵を見るまでは。
「行くよ」
なんだか千颯の顔を見るのが恥ずかしくなって、視線をそらしたつもりだったのに千颯がこっちを向いたから。
「行くだろ、咲茉も」
視線を、外せなかった。
目が合ってしまった。
少し緊張しちゃった。
「い、行く!」
ふって、笑うから。
私を見て笑うから。
こそばゆい気持ちになって。
「何、どもってんだよ」
めっちゃ笑うから…
「ちょっと噛んだだけだし!」
「そんな一言噛むなよ」
くすくす下を向いて笑うから。
…そんなに笑わなくてもいいじゃんか。
「今日もいっぱい描くから!」
「へぇーやる気じゃん」
「やる気だよ、すっごいやる気!」
また勇気がわいてきたからね、描きたいって気持ちが溢れてくる。
この思いをキャンバスに描けたら…
「ねぇ千颯」
「ん-」
「絵描くの楽しい?」
「楽しい」
春風が気持ちいい。
それだけで嬉しい、目に映るものすべてに思いを馳せられる気がして。
「咲茉は?」
まだ先のことなんてわからないけど、私には絵がある。好きなものがある。
「私もめーっちゃ楽しい!」
千颯がいる。
だから今日も描いて、それでよかった。
それがよかった。
飾られた千颯の絵を見るまでは。