どっちの愛も、重すぎて息ができない。

そこに写っていたのは小さな頃の私と
……もう1人の男の子。

笑顔で手を繋いでいる。

その顔は幼くてよく分からないけれど
面影があった。

湊……?

『泣くなよ……俺がいるから、な?』

夢の中で聞いた声が鮮明に頭に浮かぶ
あの時の温もりと重なるみたいに

「なんで、どうして湊が?」

私と湊は深い関係だった?

挨拶を交わすだけじゃなくて、もっと
他で関わってた?

なんで奏多はそれを言ってくれないの?

胸が冷たくなる。
本当のことに触れてはいけない……
だけどそれでも知りたいという気持ちが


ぶつかり合う。


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