どっちの愛も、重すぎて息ができない。
震えた指先で通話ボタンを押す。

「……もしもし、」
『莉奈?今何してた?』

低く落ち着いた声だけど、どこか胸に突き刺さる。

「えーっと、片付けしてたの、」
「ふうん。……何を片付けてたの?」

少しの間が怖い。全て見透かされているみたいで、

「本棚の……奥にしまってた、箱とか、」
『箱?……なんか見つけた?』

「べ、別に。」
『莉奈。』

名前を呼ぶ声が冷たく低く沈む。

『俺に隠し事はしないで、ね?』

どうして、どうして奏多には全部バレているの?

「隠してなんか、ないよ。」
『ならいい……俺さ、今日そっち行っていい?』

「え?」

『莉奈がどこに居て何をしているのかを俺がちゃんと見ておきたい。だめ?』
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