みならい巫女ときつね、今日もしゅぎょう中!

4話 おまつり本番!

今日の神社はいつもとちがってにぎやか。屋台にはいろんなものがならんでいます。チョコバナナや焼きそば、わたあめに金魚すくい。子どももおとなも、たくさんの人がたのしんでいます。

「つむぎちゃーん!」
「あ、ゆかちゃん!」

学校のおともだちのゆかちゃんがあそびにきました。

「巫女さんのふく、すっごいかわいいね!」
「ありがとぉ」

お昼はまだじかんによゆうがあるので、ゆかちゃんといっしょにおまつりをまわります。

「舞のほんばん、夕方だよね」
「うぅ、きんちょうする……」
「つむぎ〜、そろそろさいごのれんしゅうするわよ〜」

おかあさんがよびにきました。

「あ、わたしもういかなきゃ」
「がんばってね!わたし、いちばんまえで見てる!」

おかあさんとけいこ場にむかいます。つむぎはまいにち、いっしょうけんめい舞のれんしゅうをしてきました。そして、今日はいつもの巫女ふくとはちがう、とくべつな衣装。十二単です。

「とっても似合ってるわ」

おかあさんもおばあちゃんもほめてくれました。

「……わたし、そとのくうきすってくるね」

きづくともう15時。ほんばんまであと2時間もありません。すこしでもおちつこうと、神社のうらにきました。

「つむぎ!」

いつものように、コハクがかけよってきました。

「とってもにあってますよ!」
「ありがとう、コハク」

しんぞうがバクバクして、とまりません。

「だいじょうぶですか?」
「……しっぱいしたら、どうしよう」

コハクはしんぱいそうにつむぎをみつめます。

「……そうだ!」

コハクはなにかおもいついたように、山へかけだしました。

<ミッション4 おいしい木の実を集めよう!(迷路)>

「つむぎ!」

コハクはいろとりどりの木の実をもってきました。

「わぁ、おいしそう!」
「これたべて、がんばってください!」

つむぎはいちばんきれいな木の実を食べてみました。

「おいしいっ!コハク、ほんとうにありがとう!これでほんばん、がんばるねっ」
「つむぎ〜、そろそろじかんよ」
「あ、はーい!」

おばあちゃんによばれ、つむぎは神社の神楽殿にむかいます。

(きんちょうする〜……でも、だいじょうぶ。コハクがくれた木の実のおかげで元気でた。あとは、舞うだけっ!)

「つぎは巫女によります、神楽舞のほうのうでございます」

神主のおとうさんの合図のあと、しんこきゅうをして、太鼓と笛に合わせて舞をはじめます。

「わぁっ……!」
「あの子きれい!」
「ほんとねぇ」

コハクもこかげからそっとのぞいています。

「きれい……」

コハクはつむぎにみとれていると、いつのまにか舞のひろうがおわっていました。コハクはすこしさみしそうに、神社のうらへむかいます。

「つむぎはもう、りっぱな巫女さんだ」
「あ、コハク!」

神社のうらに行くと、つむぎがいました。

「終わったから、花火みにいっていいよって。ここから見る花火がいちばんきれいなんだよねぇ」
「……つむぎはもう、りっぱな巫女さんですね」

コハクがさみしそうに、ポツリとつぶやきます。

「コハクのおかげだよ」
「え?」

コハクは目を丸くします。

「コハクがはげましてくれたおかげで、わたしは今日上手に舞ができたの」
「そんな……ぼくなんて」
「ほんとうに、ありがとうっ!」

つむぎはコハクをぎゅーっとだきしめました。

「ふふっ、つむぎがよろこんでくれるならぼく、もっとがんばります!」

またいっぽ、りっぱになったつむぎとコハク。めざすみちはとおいですが、きっとだいじょうぶ。かっこいい巫女さんと、きつねの神さまになることでしょう。
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