すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
「初めまして、レイラと申します」
「ごめんなさい、取り乱してしまって。どうかカレンと呼んでちょうだい」
「はい、よろしくお願いします」

 カレンは明るい笑顔を見せてくれたので、私はすぐに安堵した。
 この家の人々にどう受け止められるか、ずっと不安だったから、その笑顔でいくらか心が軽くなった。

「息子たちはあとで紹介しよう。だが先に、母が君を待っている。到着したばかりで申し訳ないが、会ってもらえるだろうか」

 侯爵の言葉に、私はとなりにいるエリオスへそっと声をかけた。

「私はいいけれど……」
「では、そうしよう。きっとお待ちかねだ」

 エリオスが穏やかな口調でそう言ってくれたので、私は侯爵の申し出を受けた。


 部屋へ案内される途中、私は緊張で鼓動が高鳴った。
 自分の亡き息子にそっくりな私と対面するのだ。どれほど驚かれるだろう。
 そのことを考えると、不安もあった。

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