すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
 そして問題はセリスだが、彼女は素直に従わないだろう。
 どうにか彼女に罪を突きつけて破談に持っていくよう仕向けるしかない。
 そう、セリスがレイラにしたことと同じように。

「ところで、レイラは今どこにいる?」
「ノルディーン公爵の屋敷にいるようです」
「何? あの盲目公爵か。格はあるが社交界には滅多に顔を出さない謎の人物だ。そいつがレイラを狙っているのか?」
「婚約の噂はありますが、はっきりとはしませんね」
「ふん、父上の権力で破談にしてくれる」
「お願いしますよ。頼れるのはあなたしかいません、お義父(とう)様」
「はははっ、任せろ。そもそもレイラの縁談は君のものだったのだからな、アベリオ」


 その陽気な笑顔を見て、僕は心底安堵した。
 最近のこの人はわかりやすい。
 おだてれば調子に乗る。自分の利益のためなら手段を選ばない。
 たとえ家族を犠牲にしても。

 まあ、僕はレイラが取り戻せるなら何でもいいのだが。

 レイラ、早く君に会いたいよ。

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