すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
「どうして……お父様は何も言わなかったわ。それなら、なぜ私にそのことを言ってくれなかったの?」
「レイラにそんな顔をさせたくなかったの。ショックを受けたら描けなくなるでしょう?」
「そんなことないわ。魅力がなくなったなら、もっと頑張って……」
「頑張ればいい問題ではないでしょ。私たち聖絵師(オーラリスト)は聖力で絵を描くのよ。どれほど努力しても、能力で差が出てしまう。あなたはずっと神殿でもトップクラスの実力の持ち主だから理解できないのよ。努力が無駄になって消えていく者たちのことを」

 混乱する私に、セリスは淡々と続ける。

「挫折を知らない者が窮地に陥るとダメになってしまうの。伯父様、あなたのお父様はあなたが絵を描けなくなることを恐れたのよ。仕事の依頼を多く受けているもの。だから、代わりに私が描いた絵を納品していたの」

 耳を疑った。
 セリスが、私の代わりに絵を描いていたということ?
 意味がわからない。

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