皇帝になった幼馴染みの溺愛が止まりません
そして──ヴィクトルは十八歳の誕生日に、皇帝の座についた。
国中がその瞬間を待ち望み、街は静かな熱気に包まれていた。
「ヴィクトル・フェルディナン・ロリオ。そなたにこの国の王位を授ける。これよりは、ロリオⅢ世と名乗るがよい。」
「……はい。」
厳かな声と共に、司教の手によって王冠が掲げられる。
その瞬間、幼馴染だったヴィクトルは消え去り、堂々たる皇帝へと生まれ変わった。
眩しいほどに気高く、勇ましく、誰よりも輝いて見えた。
人々はその姿に酔いしれ、惜しみない拍手と賛辞を捧げる。
ああ……やはり、彼はこのために生まれてきたのだ。
民を導き、国を背負うために。
誇らしいはずなのに、私の胸からは力が抜けていった。
遠ざかっていく背中に手を伸ばすことさえ許されない。
──この日から、私たちは王と庶民。
共に駆け回った日々は終わりを告げ、住む世界は決定的に引き裂かれてしまったのだ。
国中がその瞬間を待ち望み、街は静かな熱気に包まれていた。
「ヴィクトル・フェルディナン・ロリオ。そなたにこの国の王位を授ける。これよりは、ロリオⅢ世と名乗るがよい。」
「……はい。」
厳かな声と共に、司教の手によって王冠が掲げられる。
その瞬間、幼馴染だったヴィクトルは消え去り、堂々たる皇帝へと生まれ変わった。
眩しいほどに気高く、勇ましく、誰よりも輝いて見えた。
人々はその姿に酔いしれ、惜しみない拍手と賛辞を捧げる。
ああ……やはり、彼はこのために生まれてきたのだ。
民を導き、国を背負うために。
誇らしいはずなのに、私の胸からは力が抜けていった。
遠ざかっていく背中に手を伸ばすことさえ許されない。
──この日から、私たちは王と庶民。
共に駆け回った日々は終わりを告げ、住む世界は決定的に引き裂かれてしまったのだ。