皇帝になった幼馴染みの溺愛が止まりません
するとヴィックが、私とイーヴの間に立ちはだかった。

「いいんだ、イーヴ。アンヌに隠すことなんて、何もない。」

「ほう……そう仰いますか。では、この件も?」

イーヴが懐から取り出した書類のようなものを、ヴィックの前に差し出す。

その瞬間、彼の表情がわずかに揺れた。

「……それも、時期を見て話す。」

低く答える声に、イーヴは深く一礼した。

「かしこまりました。」

そう言って、机の上にそれを置くと、今度は私の前に歩み寄ってきた。

鋭い眼差しが突き刺さる。

「アンヌ。自分の身分をわきまえなさい。よろしいですね。」

「……はい。」

唇を震わせながら返事をすると、イーヴは背筋を伸ばしたまま部屋を出ていった。

きっと廊下に立ちながら、会話を盗み聞きするつもりだろう。

その堅物ぶりに苛立ちながらも、胸の奥には別の思いが渦巻いていた。
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