皇帝になった幼馴染みの溺愛が止まりません
「あの……この前のプロポーズの返事を、しに来たの。」

「おお、ついに……! ドキドキの瞬間だな。」

ヴィックはいたずらっぽく微笑み、私の手を取ってソファに導いた。

その温もりに胸が震えながらも、私は逃げるように座る。

「さあ、聞かせてくれ。僕のお姫様。」

……もう、完全にノリノリじゃない。

けれど、このあとに告げる言葉は残酷だった。

「……私、ヴィックのお嫁さんにはなれない。」

「えっ……」

一瞬で、彼の表情から笑みが消えた。

信じられない、といった瞳が私を射抜く。

「やっぱり、私は身分違いだと思うの。私があなたの妻になったら……きっと、ヴィックが笑われてしまう。」

唇が震え、声もかすれていた。

胸が痛くて、涙が込み上げる。

「そんなことはない!」

ヴィックは強く首を振った。

「アンヌは誰よりも賢い女性だ。お妃教育を受ければ、必ず宮廷を理解できる。君にしかできないことが、きっとあるはずだ。」

真剣な瞳に射抜かれ、心が揺れる。

──でも、身分の壁は簡単には消えてくれない。
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