皇帝になった幼馴染みの溺愛が止まりません
「ヴィック……」

堪えきれずに涙が零れ落ちる。

泣かないと決めていたのに、心が勝手に揺れてしまう。

「とても悩んで出した答えなの。……ごめんなさい、ヴィック。」

震える声で告げ、私はそっと立ち上がった。

背を向ければ、この想いも断ち切れる──そう信じたかった。

けれど。

「だとしたら、僕は生涯独身でいるよ。」

背後から響いた低い声に、心臓が跳ねた。

思わず振り返り、彼を見つめる。

「そ、そんなこと……周りが許さないわ。」

「どうして?」

「お世継ぎはどうするの? 皆、あなたの子を待ち望んでいるのよ。」

一瞬の沈黙ののち、ヴィックは真っ直ぐに告げた。

「アンヌが産んでくれればいい。」

迷いも曇りもない眼差し。

その強すぎる決意が、私の胸をさらに不安でいっぱいにした。
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