皇帝になった幼馴染みの溺愛が止まりません
「カトリーヌには、アンヌ嬢の世話役をしてもらいます。」

イーヴが淡々と告げると、彼女は胸をドンと叩いた。

「任せてください。とびきりのお嬢様に仕上げてみせますよ!」

その頼もしさに、思わず頬がゆるむ。

「さあ、荷物を預かりますよ。」

「あ、はい。」

小さなトランクを受け取ったカトリーヌさんが先導し、私はその後に続いた。

廊下の奥、一番端にある部屋。扉を開けた瞬間、目を奪われた。

磨き上げられた床、繊細な彫刻の施された調度品、壁一面を彩る淡い花模様の壁紙──。

まるで夢の中の世界のようだった。

「ここがアンヌのお部屋ですよ。」

「わぁ……」

胸が高鳴る。庭師として過ごした日々から、皇帝の花嫁候補としての生活へ。

自分が別の世界に踏み出したのだと、ようやく実感が湧いた。

「さあ、お着替えですよ。」

「はい」

カトリーヌさんがクローゼットを開けると、艶やかなドレスが並んでいた。
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