皇帝になった幼馴染みの溺愛が止まりません
「今日は……これにしようかね。」

カトリーヌさんが手に取ったのは、淡いピンクのふわりとしたドレス。

「これなら皇帝閣下もイチコロだよ。」

「カトリーヌさん……」

冗談めかした言葉に頬が熱くなる。

けれど、まるで花びらのように可愛らしいそのドレスに、思わず心を奪われた。

「これから皇帝陛下に会うんだからね。うんと綺麗にしなきゃ。」

そういえば、今まで作業着のまま、土で汚れた手でバラを渡していたのだ。

でもこれからは──違う。

きゅっとコルセットを締められ、体の線が強調される。

ドレスの布を纏うと、不思議と背筋が伸びた。

髪は高くまとめられ、頬に薄紅をさし、唇には艶やかな赤。

「ほら、できた。」

鏡に映ったのは──知らない私。

庭師のアンヌではなく、皇妃候補としてのアンヌ。

「ありがとうございます……」

震える声が、鏡越しに響いた。
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