皇帝になった幼馴染みの溺愛が止まりません
「アンヌ! ここか!」

扉の向こうから、ヴィックの怒鳴り声が響いた。

次の瞬間、重い衝撃音が何度も繰り返される。

──体当たりしているんだ。

私を助け出すために。

「ヴィック……」

かすれた声が漏れる。

やがて扉が大きく軋み、ついに崩れ落ちた。

眩しい光とともに飛び込んで来たのは、私がずっと呼び続けた人だった。

「アンヌ!」

冷たい床に倒れていた私を、ヴィックは力強く抱き上げる。

その腕の中は温かくて、涙があふれた。

「どうして……こんな場所に。」

必死の声に、胸が締め付けられる。

──イーヴさんの仕業だなんて、言えない。

「とにかく、すぐに手当てを!」

ヴィックの腕に支えられながら、私は牢屋を後にした。

その時。

背後に残ったイーヴの瞳が、冷たく光るのを私は見逃さなかった。
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