皇帝になった幼馴染みの溺愛が止まりません
「私は、私の意志でヴィックと一緒にいると決めたの。だから、どんなことがあっても離れないわ。」

「……ああ、アンヌ。」

ヴィックの瞳が揺れる。

自分の愛する人が、自分のせいで命を脅かされた。

それが彼をどれほど苦しめているか、痛いほど伝わってきた。

「アンヌ、ごめん。僕が守るって言いながら……今回のことは防げなかった。」

「ううん。気にしないで。それにね、私……もっと強くならなきゃって思ったの。自分の身は、自分で守れるように。」

私は無理にでも笑って見せた。

ヴィックは驚いたように目を見開き、次の瞬間、私をそっと抱き寄せる。

「それでも僕は君を守りたい。どんな時でも、命に代えても。」

その囁きに、胸の奥が熱くなる。

──でも、私も変わらなきゃ。

そうだわ。

カトリーヌさんにお願いして、護身術でも習おう。

早く身体を元に戻して、ヴィックの隣に堂々と立てるようにならなきゃ。
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