Secret love.
家に着くとお互い黙ってやることを済ませる。寝る準備を全て整えた上で、リビングに戻ってくると及川くんは既にソファーに座ってスマホを眺めていた。

その隣に座ると及川くんはスマホを置いて私の方へ向く。


「昼間、なんだった?話したがってたの。」


姫野さんとカフェで2人で会っているのを見たという話。きっと何も無いと信じていても事実を確認するのが怖い。


「…この間、姫野さんと2人でカフェに居たって本当?」

「ああ、うん。帰り際掴まって10分くらいね。」

「何の話してたの?」


そう問い掛けると及川くんは「個人的な話だよ。」と、それ以上の事は話してくれなかった。


「私には話せないって事?」

「話せない。優花だって、俺相手でも話せない事くらいあるでしょ。」

「それは…、そうだけど。自分の彼氏が異性と2人で会ってたら不安だよ。それに、姫野さんと会ってた事言ってくれたって良かったと思う。後輩から聞きたくなかった。」

「別にそうなる予定でも無かったし、言う様な事じゃなかった。それに、言ったら言ったで何の話ってなってたでしょ。」

「確かに何の話?とはなったと思うけど、会ってきたけど大した話はしてなかったよと言ってくれてたらここまで不安にはなっていなかったと思う。」

「優花だって、あの男とこれから昼一緒にするとかそう言う話は態々俺にしないでしょ。」


また棘のある言い方をする及川くんに思わず顔を顰める。あの男なんて呼び方にいい気はしない。
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