Secret love.
奥まで指輪がはめられるのを確認すると、同じように歩くんの手を掴んで、左手の薬指に指輪をはめた。

ここからは指示なんてそんなものは無くて、少し見つめ合うとそのままゆっくりとベールに手が掛けられ上げられる。

昔親戚の結婚式に参列した時に、一番この瞬間の事を覚えていて夢に見ていた気がする。

基本的に人前でキスするなんて意味が分からないと思う様な人間ではあったけれど、神聖な場所で愛を誓い合ってキスをする行為には強く憧れた。


「…緊張してる?」


歩くんが私にしか聞こえない様に話しかけると、少しだけ笑って「ほんのちょっとね」と返した。


「…本当、何で人前なんだろうな。」

「そんなことここで言わない。」


相変わらずブレない歩くんに少し笑うと、歩くんは私の肩を掴んでそれからゆっくりと近付いてくる。それに合わせて自然と目を閉じると、ゆっくりと唇が重なり合い周りの拍手の音が凄く遠く聞こえた。

しばらく重ね合わせた後、至近距離で見つめ合って2人で笑い合う。


愛する事だけじゃなくて、私は貴方を幸せにすることも誓う。今この瞬間だけじゃなくて、これから先ずっと。

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