Secret love.
結婚式は優花の理想を全部叶えると我儘を聞いてくれた歩くんのおかげもあって完成されたもので、全ての憧れを叶えてくれてこんな幸せなことはない。

一通りの流れを済ませた後に、誓いの言葉が始まる。


「病める時も 健やかなる時も 富める時も 貧しき時も
妻として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか?」


司式者の問い掛けの言葉に続いて、「誓います。」歩くんが答える声はっきりとした声がチャペル内に響く。

司式者が穏やかな笑顔を歩くんに向けた後、その顔は今度私に向かってきた。


─────病める時も 健やかなる時も 富める時も 貧しき時も
夫として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか? 


この問いに迷いもあるわけが無い。ここに至るまで何度も何度も遠回りして悩んだけれど、何度考えても私が生涯愛を誓う人はこの人が良い。

隣に居る歩くんを見ると、ふとこちらに顔が向いて目が合う。私は笑みを向けてから、司式者の方に顔を向け「はい、誓います。」と返答をする。


「では、指輪の交換を。」


その言葉で身に着けていた白いグローブを外し、近くに居る介添人に渡し今度はそのまま歩くんと向かい合う。ベール越しだけど目を合わせると、そのまま離す事なく見つめ合う。

この間がすごく擽ったくて、照れくさい気持ちになるのに、不思議と目を逸らしたいとは思わなかった。

歩くんがそっと指輪を司式者から受け取るのを見て、左手を差し出すと下から支える様に優しく掴んで、そのまま薬指へとゆっくりとはめていく。
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