Secret love.
それから当然大学ではいつも通り接したし、あの夜の事を口に出さなかった。好きだと言う気持ちは私の中の秘密にして、大学を卒業すればそこからは時間が解決してくれると思い続けていたのだけど、時間が解決なんて考えが甘かった事を知る。

大学を卒業し就職先で入社してから、そこで及川くんの顔を見てしまったから。


「…え!?」

「おはよ、川﨑。」

「いや、いやいや、おはよじゃなくて!」


スーツを着てこの場に居る時点で、同じ会社に就職したというのは今理解した。それまでは2人で話す事は無くなって何なら距離を取っていて、及川くんの進路を聞かないようにしていたのに、まさかこんな所でも一緒になるなんて思っていなかった。


「酷いじゃん。仲良かったのに俺の就職先知らなかったなんて。」

「え…、及川くんは、私がここで就職するって知ってた…?」

「もちろん。周りから聞いてたし。何かショック。大学時代、あれっきりだったし。」


大学時代、の部分は耳元で言われ顔が熱くなる。あの時の事を反省し、及川くんの事は避けて2度も同じことを繰り返さないと決めていた。避け続けた結果、まさか引き寄せることになるなんて。


「てことで、これからもよろしく。川﨑。」

「…よろしく。」


この後入社式で部署が発表され、部署だけは分かれた様でそこだけは安心した。
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