Secret love.
部署が離れたと思えば、経理課の私と営業課の彼は入社して半年程で思わぬ接点が出来た。


「川﨑さん、これ処理お願いします~!」


笑顔で堂々と話し掛けてくる及川くんを睨みつける私。ちなみにそんな及川くんは顔が良いから経理課のアイドルみたいになっているし、わんこ系で可愛いと、周りの先輩からも可愛がられている。

だから、わざわざ私の所に来なくていいはずなのだ。だけど個人的な感情では拒めずに、書類と領収書を渋々受け取る。


「及川くん。毎度私の所に来なくても良いんじゃないの?」

「大学からの同期だし頼みやすくて。あ、そうだ。いつもお世話になってるし、今日飲みに行かない?」

「結構です。」

「冷たいな。」


会社での及川くんは、周りから見ればずるさのかけらも無い。私に気があるふりをストレートに取ってくる。

私が好意を持っているとも知らず、暢気な人だとは思うけど、何も言えずしばらく及川くんと接触するのは控えていた。

及川くんとの時間は、この処理の時間と、時々ある大学のメンバーと飲みに行く時だけ。それ以外は関わりを切って及川くんへの気持ちを手放す予定だった。
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