Secret love.
「…連絡くらいきちんとしてよ。それならまだ変な心配しなくてよかったのに。」

「本当にごめん。抜け出す暇も無かったから。」


浮気では無かったのはまだよかったけれど、全ての話で納得できたわけじゃない。この流れで今まで不安に思っていた事を全部吐き出すと決めていたから、ここで流されずに及川くんの考えを聞きたい。

及川くんの身体を離す様に押すと、少し驚いた表情をしていて、その顔をただただ見ていた。


「…及川くんさ、私との関係を将来的にどうしていきたいの?」

「どうって、」

「今まで私達の間で結婚の話をしたら、及川くんは流して来たよね?それに交際隠してるのも何で?会社では仕方ないかと思って言い聞かせてきた。でも、大学のメンバーで飲みに行ってもそこでも交際の事言わないよね。」

「…結婚は、まだ早いと思ってる。交際も、結婚するってなるまでは公表しない。」


そうはっきりした言葉で言い切る及川くんに、何も言えなかった。結婚はまだ早いって、私達もう28だよ?とそう言いたかったのに、言葉にならなくて今は、やりきれない気持ちをどこかに追いやるので必死だった。

そもそも及川くんの考えを私に変える事は出来ないし、及川くんが結婚をまだしたくないと思うなら、私にはどうしようもない。

私の顔を見て「優花」と声を掛けて手を繋ごうとして来る手を強く払う。
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