Secret love.
「そもそもあの日飲み会になったのに連絡ちゃんと出来なかったのはごめん。部長に呼び出されて、すぐに動かなきゃいけなくて必要な事を連絡している時間無かった。」

「…部長?合コンは?」

「やっぱり勘違いしてるよな。行かないよ、合コンなんて。」


私の手を取って首を横に振っていて再度「行くわけない」と言葉を振り絞る様に発していた。


「…女性物の香水はどう説明するつもり。女性と居た事には変わらないでしょ。」

「店に行ったら部長の娘さんがいた。隣に座ってたりとかしたから、匂いが付いたのかも。」

「そんな近くに座ってたの?」

「部長は勝手に娘さんと上手くいかせようと思って連れて来てたらしい。でも、恋人がいるからって断ってきたからもうこんなことにならない。」


つまり及川くんはお見合いを隠して飲みに連れて行かれたと言いたいのだろうか。それでも酔う程飲まされて、匂いがつくって…。全然腑に落ちない。

私の顔を見て納得していないのが見てとれたのか、今度は私の身体を抱き寄せて抱きしめてくる。


「そうやってなあなあにしようとしてない?」

「してない。安心したかっただけ。」

「勝手に安心しないで。私の中では全然何も解決してないし、そもそもお見合いだったってことだよね?話、本当に聞いてなかった?」

「聞いてない。急に飲みに誘われたから何かあるなとは思ってたけど、娘がとかそんな話聞いてなかったし。娘さんとの話断ったらめちゃくちゃ飲まされたし…。」


及川くんが誰かに交際している人が居ると話すのは初めてだった。お見合いを断る為には仕方なかったのかもしれないけれど、こんな公表のされ方は予想外だ。
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