Secret love.
「別れないから。」


そこには赤い小さな箱が置かれている。ドラマとかでよく見ては憧れていた様な箱。それが本当に私がずっとほしかった物なのかは分からない。

及川くんを見ると「開けて」と言っていて、そっと手に取って中身を確認する。

中には指輪が入っていて、思わず箱の蓋を閉じた。それから及川くんを見ると、私の反応に少し笑っている。


「本当は、もう2年くらい前からずっと用意だけしてた。けど…、俺等ってそもそも大学時代から身体の関係から始まってるし、色々順番間違えてたから、優花にとって本当に俺で良いのかなってずっと思ってた。」

「何で…?」

「優花が忘れてって言うから。」

「いや…!忘れてとは言ったけれど、あの時及川くんがやっちゃったみたいな顔するから…!」

「そりゃするだろ!好きだった女の子に告白する前に手を出して…、あんなん、順番逆過ぎて…。」


そう言ってあの時と同じ顔をしていた。ていうか、今好きだった女の子って…。及川くんの言葉にも何もかも理解が追い付かない。


「待って、どういうこと?」

「言葉の通り。本当は2人で遊びに行ったタイミングで告白とか思ってたけど、手の早い人間って思われたくなかったし、その結果もっとダメな方向に手を出しちゃったけど。」

「何それ笑える。」

「笑えないって。」


あの時から実は両想いだったのかと知ると今になるまで随分遠回りをしてしまっていた事に気付いた。


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